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僕が三枝さんと出会ったのは、カルメンマキ&OZが切っ掛けだった。当時三枝さんの弟がNHKにいて、僕の飲み友達だった。
ある日彼から電話があった。「実は僕の兄貴は現代音楽の作曲家、三枝成章なんだ」「?」はずかしながら僕は彼の名を知らなかった。
「今度兄貴が中心になって岐阜でロックと現代音楽の野外イベントをする。カルメンマキとコンタクト取りたいんだけど、お前誰かしらないかといって来たんで君を紹介した。連絡があると思うのでよろしく」その後すぐ本人から電話があって、六本木のオフィスへ出向いた。
現代音楽の作曲家なんて、どうせ偏屈なやつだろうと思って逢いに行ったのだが、どっこい、爽やかで逢っていてとても気持ちのよい人だった。僕はすっかり気にいって、その後何回かオフィスを訊ねたり、酒を飲んだりした。
彼の口癖は「まいちゃったよ」
音楽の締め切りが迫り「まいちゃったよ」女に追っかけられ「まいっちゃたよ」
魅力的な彼はおんなにもてた。もてた以上に本人も女好きだった。
僕のやっていた初代Speakeasyが事務所のそばにあったものだから、よく女性連れでやってきた。「ここは僕の隠れ家」といいながら、いつも違う女性を連れてきた。
連れてきた女性同士がバッティングしたらどうするんだろう、、、。と心配するほどだった。
ある日いつもの様に女性を連れてやってきた。やって来るなり僕に耳打ち「まいちゃったよ、もう一人事務所にいるんだ。何とかいって帰すからしばらくこの子の相手してやって」女性に「じゃァ、仕事仕上げて来るからちょっと待ってて、30分ほどで戻るから」そう言うと店を出て行った。
僕はムスッとした女性を相手に悪戦苦闘、三枝さんは一時間経っても帰ってこない。そのうちイライラしはじめた女性が「ちょっと事務所みてくる」と言い出した。
僕は慌てた。事務所に言ったら修羅場になるかも知れない。必死に引き止めていたらなに食わぬ顔をして彼が帰ってきた。
「まいちゃったよ、ちょっとてこずって、、ごめん。食事に行こうか」僕に軽く手を上げ帰って行った。
まいったのは僕だった。
その後映画「動乱」の音楽を三枝さんに依頼して、Kittyからリリースした。
素晴らしい音楽だった。スケールの大きな美しくももの悲しいメロディー、タイトルバックに流れた音楽は今でも僕の脳裏に焼き付いている。
「英雄色を好む」か。 |
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